福島健 止めているだけで喰う!? ウェイクマジックの威力
■ ルアーを変えずに釣りのスピードを変える
まず午前中はいつもの取材のときと同様、速い展開でいろいろなところを見ておきたいということで、ウェイクマジックを水面ただ巻きで流していく釣りからスタートしました。
そしてバックウォーター、上流域、中流域と少し速めのペースで1時間半ほど流してみたのですが、全く反応がありません。
そこで次に、少しスピードを落とした釣りにシフト。普通このようなとき僕は、ルアー自体を変えることが多いのですが、このときはウェイクマジックをそのままキャストし続けました。
このルアーの場合かなりゆっくり引くことや止めることもできるので、ルアーチェンジしなくても1つで速い展開から遅い展開へと合わせることができるからです。
そして、少し沖目に沈む立木の上を狙ってキャスト。着水後のポーズ中を少し長めにとっていると、ウェイクマジックが静かに水中に吸い込まれて1本目をキャッチ。
サイズは大きくなかったですが、この1本が大きなヒントになり今までの流れを変えてくれることになりました。
この魚をキッカケに「やはりこの日はスローが正解に近い」と自信を持って、釣りのスピードを今までとはガラッと切り替えることができたのです。
■ 水面に浮かべておくだけでビッグフィッシュがバイト!
立木で喰ってきたということから、エリアも立木の多い備後筋に移動。岸際にある立木は無視して、なるべく沖にあって、しかも水上にあまり出ていない立木を狙っていきました。
ウェイクマジックを沖の立木に投げて10秒ほど止めたあと、ショートジャーク&ポーズを繰り返したり、5mほどスローにただ巻きで水面を引いてきてあとはピックアップ、という流れです。
バスはウェイクマジックに興味を持って近づいてはきたのですが、ボートからの距離が近かったこともあってか反転してルアーから離れたので、大急ぎでルアーをピックアップして、ルアーを止めていた場所より向こう側に再度キャスト。
そのまま何もせずに止めていると、そのビッグフィッシュがまた近づいてきて、今度はルアーをパクッと咥えて反転。
わかっているものの、「よしっ喰った!」とついつい早アワセをしてしまいスッポ抜け。トップで早アワセは厳禁と番組中で解説していたのですが・・・
その後、別の場所でもウェイクマジックを水面で止めていると、またもやバイト。池原名物60~70cmクラスのスクールのなかの1本が口を使ってきたのですが・・・今度はバスの方がしっかり吸い込んでくれませんでした。
しかしその後、ウェイクマジックを水面で止めるという同様の釣り方で40後半サイズをキャッチし、その他C-4ジグ(プロト)+C-4シュリンプでも数本追加することができました。
■ ただ止めているだけで喰ってくるルアー
そして、ラストはまたしてもウェイクマジック。ダムサイトのブイの際で止めて、狙い通り40後半サイズをキャッチ。ロケは無事終了となりました。
ただ止めているだけのルアーに対してこんなに興味を持って、しかも口を使ってくることは、他のルアーではあまりないと思います。本当に本物のエサ、特に虫を喰うときのように軽くパクッと咥える感じで喰ってきます。
さらにもう一つ。普通、池原ダムのようなクリアウォーターでは、バスが追ってきたとき止めると見切られることが多いのですが、プロップの効果なのかティンセルの効果なのか、ウェイクマジックはクリアウォーターでもなぜか見切られにくいのです。
なので、ウェイクマジックを使っていると、ついつい止めたくなってしまいます。この感覚は1度でも体験した人ならわかってもらえると思います。
■ 止めて使うウェイクマジック・使用上の注意
ただ、ウェイクマジックを止めて使う際に、いくつか気を付けてほしいことがあります。
① ルアーの浮姿勢を意識する。
重心移動のこのルアーは意識しないと着水直後の浮姿勢がテール下がりになったり、水平になったりします。僕が思うに、どちらかというと水平姿勢の方がこの止める釣りにはいいような気がするので、キャスト後、着水と同時にラインを「ポン」と軽く張って、重心移動のウエイトを前側に持ってくること。それにより水面に浮かぶ姿勢が水平になってくれます。
先ほども言ったように、普通、止めると見切られることが多いのですが、このルアーは止めているだけでバスの好奇心を刺激する何かを持っている気がします。また、ルアーを動かしているときに追いかけてきた場合も止めること。
③ フッキングとランディングに気をつける。
早アワセは厳禁。でも、しっかりとアワセることも大事。バスが反転してから少し待ってガッチリ掛けてください。それから、ランディングですが、これは止める釣りに限らず、あのボディサイズで3フック仕様なので指にフックを刺さないように十分に注意してください。
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