清水盛三が語る 2017バスマスターエリートシリーズ前半~中盤戦 苦しみ抜いた末、ニュータイプフロッグでつかんだ準決勝進出
2017年6月2~5日にアーカンソー州レイクダーダネルで開催されたバスマスターエリートシリーズ第6戦で準決勝進出を果たし、後半戦に向けて望みをつないだ清水盛三。
苦しみ抜いた前半戦、第3戦ルイジアナ州トレドベンド、第4戦ミシシッピー州ロスバーネット、第5戦テキサス州サムレイバン、そして復調の兆しが見えた第6戦レイクダーダネルをまとめて振り返ります。
4月から6月前半にかけて4試合という過密スケジュールの中、やっと最後のレイクダーダネル戦で準決勝に駒を進めることができた。この試合は今までの悪い流れを断ち切るキッカケになる内容のあるゲームを展開できたと思う。
試合中のサンダーストーム通過によって激変するコンディションにも自分を信じて冷静に判断、対応できたし、信じて投げ続けたシャワーブローズソフトシェル(プロト)とジャックハンマーがしっかり機能してくれたのも大きかった。まだパーフェクトとはいかないけど、かなり次につながる手ごたえはつかんだと思っている。
■ ウネリと濁りに悩まされた第3戦トレドベンド
まずは、昨年決勝まで進んだトレドベンド戦から。
しかし、フタを開けてみると試合当日は激荒れ。シャッドスポーニングパターンではメインレイクを中心に釣っていたので、ウネリと濁りが入りシャッドもいなくなりバスも全く口を使わない。
それでペースを乱され慌ててしまい、サイトフィッシングに行ったけど、スローにじっくり釣ることができない精神状態に陥ってしまいミスを連発。そのなかには4ポンドクラスも……
2日目は風が収まり、狙い通り朝一はジャックハンマーで連発。しっかりリミットメイクはしたものの万事休す。初日のミスが響き、予選通過はならなかった。
■ フリップ&フロッグで流れをつかみかけた第4戦ロスバーネット
続いてバスマスターエリートが初めて開催されるレイク、ロスバーネット。
4月後半に行われたこの試合もプラクティスは好調で、リーズを3/4ozテキサスリグで釣るパターンでかなり見えていた。しかし、またしても強風に泣かされることに。試合当日、強風によってメインとしていたエリアがかき回され濁りが入ってしまった。さらに減水が重なり……そんな状況で、初めは当初のプラン通り3/4oz(21g)テキサスを撃ち続けたが、ただでさえ浅いエリアからバスは姿を消してしまったかのようだった。
気が付くと時計は12時をまわっている。そこで一旦考えをリセット。やはり減水の影響は大きいと考え、狙いを少し沖目にシフト。バンクから離れたところにパラっと生えるリーズを狙うことに。バンク付近よりカバーの密度が薄くなるため、シンカーを軽めの1/4oz(7g)にチェンジ。そして狙っていくと……3ポンド半のナイスサイズが喰ってきた。
2日目は朝一にすぐ1本獲ったが後が続かない。この日も風が強く、台風並み。琵琶湖の北湖、いやレイクエリークラスの超強風で釣りができるところも限られ、行くエリア行くエリア釣り人が多く思った通りにいかない。結局この日も12時をまわって1本のみという厳しい展開に。そんな中、何か感じるところがあってシャワーブローズソフトシェル(プロト)を投げてみた。
するといきなり激しく水面が割れた……が、あまりにいきなりだったのでしっかり反応できず乗せることができなかった。そこで、しっかり集中してシャワーブローズソフトシェル(プロト)を投げていく。そのキャスト、キャストに集中しながらも先、先を見ながら流していくと、少しして、カモメが水中にダイブするシーンが。
「あそこにはシャッドが入っていそうだな、チャンス!」と考えながらそのエリアに差し掛かると……いきなりバイト。今度は集中していたのでしっかりフッキングしてキャッチ。狙い通りこのエリアでは3発出して3発とも乗せることができた。しかし、タイムアップ。残念ながらリミットメイクならずこの試合を終えた。
■ シャワーブローズが炸裂するも……激荒れの第5戦サムレイバン
5月中旬に開催されたサムレイバンも同様にプラクティスは好調だった。数、サイズともに伸びており、良い場所を数か所持っていた。
2日目はワンズバグでビッグフィッシュを掛けたけど、ウィードに入られて結局は藻化け。しかしそれ以外は、朝からシャワーブローズが炸裂して40本以上は釣ったと思う。でも、サイズが伸びなかった。
さらに言えば、試合では行かなかったが、スーパーな場所をあと2箇所持っていた。いや、実際は頭でわかっていたけど体が動かず行けなかったと言った方が正確かもしれない。そのうちの1箇所は自分ではマジックツリーと呼んでいて、ゼルクを通すとガンガン喰ってくる立木のエリアがあった。
なのに試合では1回もそのエリアに行かなかった。なぜかというと、朝はマシだけど日が昇ってから強風が吹いて激荒れのコンディションだったから、そのエリアはモロに影響を受ける場所だったので、過去2、3試合も荒れてエリアが潰れていたことを考えると、釣れないと端から切り捨ててしまっていた。
もちろん単純に、激荒れの中を走るのもきついし、そんな中で釣りをするのもきついという消極的な自分がいた。体調がすぐれていれば、今年波に乗っていれば絶対行っていたと思う。後から聞くと、今年クラシックを勝って波に乗っている若手のジョーダンリーは同じエリアに走っていたようで、実際この試合も4位に入賞している。
■ サンダーストームにも冷静な判断で準決勝進出 第6戦レイクダーダネル
そんな心境で迎えた6月前半の第6戦レイクダーダネルだったが、冒頭で話したようにようやく準決勝に残ることができた。それにしてもこの試合は、日本では絶対に経験できないような劇的に天候が変わる3日間だった。例えて言えば、初日は台風直前、2日目は台風中、そして3日目準決勝は台風直後に釣りをしているような感じだった。
そのワンドはどんつきにバックウォーター(細い川)が2本入っていて、実際、右側の流れ込み(ワンドの右バンク)を釣るのか左側の流れ込み(ワンドの左バンク)を釣るのかで、同じワンドを釣っていてもここまで釣果が変わるか?というほどだった。なので、1箇所で粘っていたからといって、守りに入っていたわけでなない。狭い範囲内でも魚の動きを冷静に判断して追い詰めていくという積極的行動、すなわち攻めている状態だった。
そしてたどり着いた2本の流れ込みがあるそのワンドで、水面に浮く藻とそのまわりを釣っていた。ただ浮いている藻だけでなく、茎がボトムまで入っているものや切れて風向きによって場所や形が変わったりするものもあり、ショア全体に覆いかぶさっているところもあって、そんなカバーのなかにいる魚をシャワーブローズソフトシェル(プロト)とジャックハンマーのパワーで引っ張り出して喰わせていった。
試合初日はそのままの減水のなかで行なわれた。サンダーストームが来る前だったので、この試合の中では比較的安定した状況下だったこともあって、13ポンド5オンス獲って33位とまずまずの位置に着けることができた。
試合2日目はサンダーストーム。大雨が降って、メインリバーは水位も上がり一瞬で濁りがさらに強烈に。僕が釣っていたワンドはそこまで急激ではなかったけど、バックウォーターが2本入っていていたので、そこからの濁りと流れが変化。
そして3日目準決勝。前日のサンダーストームの影響がこの日僕が狙っていたワンドにも出てきて、良かった左バンクの流れ、濁りともにバスには強すぎる環境になってしまっていた。逆に右バンクに適度な流れと濁りが入り、この日は左側では全く魚が出てこない。結局全部の魚を右側で釣って11ポンド13オンス。終46位でトーナメントを終えた。
それがよりによって4ポンドクラスのビッグフィッシュで起きてしまったりと、出た魚、掛けた魚を全部獲っていれば決勝どころか……という試合だった。
今回はミスもあったけど、それ以上に試合内容、さらには気持ちも充実していたことが大きい。自分の心持ちをここまでもってくるのに時間が掛かってしまったけど、今シーズン残り3試合もこの状態を維持して悔いのないよう集中したいと思います!
■ 各試合のタックルデータ
【トレドベンド戦】
[ロッド]ヘラクレス HCSC-73HG レパード
[ライン]フロロカーボン 18lb
[ルアー]ジャックハンマー 3/8oz
[ロッド]シナジー CSYC-73MH+ スーパートライアンフ
[ライン]PE 60lb
[ルアー]シャワーブローズソフトシェル(プロト)
[ロッド]シナジー CSYC-70M+ マルチローラー(プロト)
[ライン]PE 25lb
[ルアー]シャワーブローズ
【レイクダーダネル戦】
[ロッド]シナジー CSYC-73MH+ スーパートライアンフ
[ライン]PE 60lb
[ルアー]シャワーブローズソフトシェル(プロト]
[ロッド]ヘラクレス HCSC-73HG レパード
[ライン]フロロカーボン 18lb
[ルアー]ジャックハンマー 3/8oz
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