2015.07.27 (月)

小林知寛 JBトップ50 第4戦 桧原湖 
虫パターン・ライトキャロ・フットボールで挑んだスモールマウス戦

エバーグリーンプロスタッフの小林知寛です。今回は2015年7月10~12日に福島県桧原湖で開催されたJBトップ50第4戦のレポートです。

■ プラクティスで好感触 3つのパターンのキーを紹介

今回の試合、メインで使ったパターンは3つ。

1つ目はディープでのフットボールジグの釣り。
約1週間費やしたプリプラクティスでは、曇ったり、風が吹いたりと涼しい日が多かったせいかベイトのレンジが4~5mと比較的浅く、魚探にベイトが映ったところでルアーを入れるとポロポロと釣れる感じでした。

プリプラクティスの最後の2日間は天気が変わり、晴れ。するとベイトが一気に8~9mに落ちて、さらにかたまり出しました。そして魚探にはスモールが刺さっている映像が映り出したのでフットボールを入れると、700~800gクラスが簡単に口を使ってきました。本当に入れ食いという感じの釣れ方で、このパターンが生きていれば4キロベースのウエイトがつくれると好感触でした。

ところが、直前の公式プラクティスでこのエリアを見に行くと、全くベイトが映りません。バスは単発で映るのですが全然釣れず、たまに複数映ることがあって、そのときだけ釣れるという感じでした。ただし、プリプラのときよりもサイズアップしていて来ればデカイという感じだったので、タイミングは難しいですが、ある程度勝負できるウエイトができてから入れ替えに来るという作戦を立てていました。

ここでのフットボールの釣り方は、ベイトが映るときは激しい2回縦しゃくりアクション。こちらはイージーにバイトしてくるので、スモールにルアーを見つけさせやすいように大きく動かしてやるだけでした。

一方、ベイトが映らないときはラインスラックを張るような軽めの縦アクション2回。こちらは、じっくりとバスの目の前で動かしてやる感じです。ただし、あまりボトムを引きずりすぎるとゴミやヘドロのようなものが掛かりやすかったので、ほんの少しだけボトムから浮かせるイメージでアクションさせていました。

また、アタリの出方がはっきりしなかったため、ソリッドティップのファクト70Hを使って、ソリッド部で感じる微妙な違和感だけでアワセていくのがキモでした。

2つ目のパターンはシャローで虫を喰っているスモールを狙う釣り。プリプラクティスでは2日掛けてシャローを見てまわり、最初の日は虫パターンに結構出たのですが、2日目はちょっとパンチ力がなくなったかなという印象でした。

そして、直前プラの2日目にもう一度、虫パターンがどの程度釣れるか試していたところ、狙っている人が少なかったこともあって余計に、垂直系の岩盤が気になり出しました。そこで、会場対岸の岩盤に入ってみると、魚が次々に入ってくる感じで好反応を得ることができたのです。しかも、出てくる魚にはキロオーバーもいたので、フライトが早くて朝一入れれば勝負になると思いました。

ここではロングキャストするために、ロッドは昨年野尻湖で虫パターンで優勝した時と同じく7フィートのヘラクレス・ファランクスを選択。ルアーはそのときと違いプラグ系の虫ではなくエラストマー素材のものを使用。もう少し暑くなってきてカナブンなんかを喰い出すとプラグ系の着水音が良くなるのですが、今回は蝶や羽蟻、カゲロウなどを喰っていたので着水音が柔らかい方が良かったためです。

さらに、虫パターンのフォローとして約1.5mというロングリーダーのライトキャロライナリグが効果的でした。虫で狙っていたバンクのボトムが水深4~5mの台地になっていて、その上にシンカーを落としてリーダーの長さ分沈む間待っていると、虫に出きらない魚が喰ってきました。

イメージとしては、シンカーはボトムに着くまでは素早く沈んでいく、つまりスモールからルアーが一気に逃げていく感じになるので、それにつられて追いかけて行き、シンカーがボトムに着いてからはリーダー分スローフォールするので、そのときにルアーを咥えてしまうという感じです。

なので、一気にグッーと持っていかず、ルアーがボトムまでフォールした後で軽くテンションを掛けてみて微妙なアタリを感じてアワセる必要がありました。そこで選択したのが、ソリッドティップで微妙な違和感を感じとれるソルティセンセーション・Dアタッカーでした。


ページトップ

■ 3つのパターンを使い分け、狙い通りの展開で好スタート

以上の3つのパターンをメインに考えて臨んだ試合初日。スタート順はほぼ真ん中でしたが、運良く会場対岸の岩盤エリアに入ることができました。しかし、全員のフライトが終わるまでは引き波が強く当たり、これでは魚が浮いてこないため虫パターンはきびしいのでライトキャロからスタート。引き波が収まるのを待ちました。

そして、その間にライトキャロでまず1本。引き波が収まりシーンとなってからは、狙いどおり虫で2本と順調な滑り出し。引き波が当たっても濁りにくい岩盤を狙っていたので、引き波がなくなればまったく問題はないと思っていました。しかし、その後……虫に結構出てくるのですが、あまりにもバイトが激しすぎて飛ばされて乗らなかったりということが続き、少しスレてしまい、表層への出が悪くなってしまいました。

そこで、次はディープに移動。しかし、ベイトは映らずバスが単発で映るのみ。

30分ほど費やすものの、タイミングが合わず、もう一度朝一の岩盤に移動。

今度は風が少し吹き始めていて虫には出が悪かったので、ライトキャロにチェンジして狙うと……3投連続でバイト。リミットメイク、さらに入れ替えに成功。

その後しばらく岩盤エリアで釣りをしていると、岸際にフラフラと岸と平行に泳ぐデカスモールを発見。1,200クラス。投げるタイミング&場所を計りながらその魚を追いかけていき、この日は虫よりもライトキャロで追わせて喰わせる方がバイトが深かったことが頭に入っていたので進行方向の少し沖側にキャスト。すると狙いどおりその魚が沖に出て来てルアーを追って行きバイト。ウエイトを大幅に上げることができました。

これで勝負に行けるウエイトは確保できたので、もう一度ディープに入り直すことに。すると、今度はタイミングが合って2本釣って入れ替えに成功。最終的にウエイトは4,160gで初日は4位と好スタートを切ることができました。

2日目も朝一は対岸の岩盤からスタート。前日同様の作戦で、引き波が消えるまではライトキャロでやったのですが、この日はノーバイト。そこで、引き波が収まってから虫にチェンジ。狙いどおり良いサイズが出たものの、いきなり4~5発もミスってしまいリズムが……

そこで、このエリアを休ませるために一旦ディープに移動。しかし、ベイトが映らず、バスも単発でしか映らなくてダメ。もう一度岩盤に入り直してみたものの虫もダメ、ライトキャロもダメ。さらに、岩盤のフットボールも試してみたもののスッポ抜け。すべてが噛み合わない感じに。

そこからは、自分のなかでの実績場である沖のハンプを何箇所かまわってみたものの、アタリがありません。その後、メジャーなディープフラットエリアに入るとようやく魚探にベイト反応が。フットボールジグの強めの2回シャクリでようやく1本キャッチ。ベイトもまだ映っていたので投げ続けたのですが、その後アタリが続きません。

やはりディープフラットなのか、とラストはプラクティスで爆発したディープエリアへ。そこでなんとか1本絞り出したものの、この日は2本で終了。2日間トータルで5,344g、結果35位。初日4位からの予選落ちという悔しい結果に終わってしまいました。

終わってから考えれば、沈む虫のイメージでノーシンカー系のワームを投げておくべきでした。表層にまでは出てこないしボトム付近でもないとなれば、たぶん1~2mのところにいたはず。ただ、朝一は虫で結構な数、サイズを出していたのでまだイケるという思いが強く、対応しきれなかったのが悔やまれます。

次は早くも最終戦。結果はともかく、今までとは全然違う噛み合う感じのリズムが戻ってきた感覚があるので頑張ります!

■タックルデータ
ロッド:ファクト HFAC-70H
ライン:バスザイル・マジックハードR 12lb
ルアー:フットボールジグ 3/8oz+クロー系ワーム

ロッド:ヘラクレス HCSS-70UL ファランクス
ライン:PE 0.4号
リーダー:バスザイル・マジックハードR 3lb
ルアー:虫系ワーム

ロッド:ソルティセンセーション PSSS-70S Dアタッカー
ライン:バスザイル・マジックハードR 3lb
リーダー:バスザイル・マジックハードR 2.5lb
ルアー:2インチクロー系ワーム 2.5gキャロライナリグ

■関連サイト:JB日本バスプロ協会・NBC日本バスクラブ公式サイト

P.S.
今回の試合は釣りビジョンのカメラが同船していたので、映像も合わせて見ていただけると文字だけでは説明しきれない部分もイメージしやすいと思います。ぜひご覧ください。

釣りビジョン「JBトップ50 2015第4戦 福島県 桧原湖」
2015年8月2日(日)21:00から初回放送!リピート放送有り。


ページトップ

関連記事