なぜなら、ブランク自体の太さ厚さがビッグフィッシュを寄せるトルクフルな張りとパワーを生み出すことはもちろん、意外にも、そこに張り(特にティップ~ベリー部に)を持たせることが、グラスロッド特有の「吸い込み性能の良さ」をより有効に機能させることになるからです。
「バラさず確実に仕留める」ためには、まずバスにルアーをしっかりと吸わせることが大切。そのためには張りのあるブランクが必要と盛三は主張したのです。一見逆説的ですが、喰い込みを良くしようと安易にティップを柔らかくしてしまうと、リトリーブしているだけでルアーの引き抵抗でティップの入りシロを使い切ってしまい、バスのバイトに対してティップが入り込む余裕がなくなり、ムービングロッドとしての肝心な役割を果たさなくなってしまうと言うのです。
そこでパワーグラスの設計においてはブランクを太く厚く設定。そうすることでティップに適度な張りを持たせ、リトリーブ中、ルアーの引き抵抗に負けて曲がりすぎずにほどよく曲がった状態を維持し、バスがルアーを吸い込む際にそこからさらに曲がり込む余裕を持たせました。
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一般的に出るけれども乗りづらいとされるバズベイトでもご覧のとおり。パーフェクトなフッキングが決まった。(E.G.クライマックスVol.4より) |
その結果、バイトを弾かずルアーをより口の奥に送り込むことが可能になります。しかも、いくら張りがあるとはいえ、反発力の強いカーボン素材とは違い、グラス素材ならではの柔軟性により、低活性バスの弱い吸い込みにも対応してくれるのです。
さらにバイトに対して、太径肉厚ブランクから生み出されるパワーとトルクフルな張りで、より深くフックを刺し込み、ビッグフィッシュを浮かせます。そして、ボート際での最後の抵抗、急な突進にもその粘り強い追従性が身切れ等によるバラシを防ぎます。
もちろん、ファイト中も魚の動きに追従してしっかりブランクが曲がってくれるので、バスが手前に走り込んでくるような状況においても、ラインスラックが出にくくバラシを防いでくれるのも太径肉厚グラスならではの特性です。
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魚の動きに合わせて必要な分だけ曲がり込む太径肉厚ブランクが、バラシを防ぎビッグフィッシュを浮かせる。 |
バラさず確実に仕留める性能を追求した結果導き出された太径肉厚グラスメインシャフトは、「快適に投げて巻き続ける」性能を形づくる上でもその優位性を発揮します。
ただ単にティップを柔らかくしたロッドで、ルアーの引き抵抗によってティップが大きく曲がった状態でリトリーブを続けていると、吸い込み性能が低下するだけでなく体に大きな負担が掛かることにもなります。ルアーの振動&引き抵抗を、ブランクが吸収しきれずにパワー負けした状態となり、ダイレクトに手、腕、肩で受けることになってしまうからです。
このような状態では長時間快適に巻き続けることはもちろん不可能。一日集中して巻き続けるためにも、ルアーの引き抵抗を和らげる適度な柔軟性を持つグラス素材に加え、そのパワーを余裕で受け止めるティップ&ベリーが必要になってきます。
つまり、グラスロッドの設計において、その性能を本当に引き出そうと思えば、「とにかくティップをソフトに・・・」という考え方は通用せず、使うルアーの引き抵抗に応じた張りを設定することが重要になるのです。
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抵抗の大きいルアーを快適に巻き続けるためには、リールだけでなくロッドの性能も重要。パワーグラスが体への負担を抑える。 |
様々なルアー、様々なフィールドでテストを続け、ムービング系ルアーの引き抵抗を考慮して導き出された最適なティップの張り(直径、肉厚だけでなくテーパー等も含んだトータル設計)を設定したパワーグラス。「抜群の吸い込み性能」「バラシを防ぐ柔軟な追従性」「巻き物の引き 抵抗を受け止める快適な操作感」・・・
盛三のムービングロッドに求めた性能を本当の意味で具現化した真のムービングロッド。それは同時に、太径肉厚にしてもなおしっかりと曲がり込むというグラス素材ならではの特性から、1本のロッドで扱うことができるルアーの許容範囲が圧倒的に広くなり、ムービング系ルアーに対して優れたバーサタイル性を発揮することも意味します。
しかし、グラスロッドに太さ・厚さ(力強さ)を求めると反面ダルさが伴います。それを解消するのがタイタンレッドのカラーリングに隠れたバットの4軸ヘラクレスクロスです。力強くトルクフルなグラスメインシャフトに4軸・カーボンの剛性がプラスされることで、ブレのない強靭なコンポジットシャフトが完成。
ルアーを乗せて弾き出す柔軟性にシャープな振り抜き感が加わり、キャストフィールが大きく向上し、「快適に投げて巻き続ける性能」がさらに進化。そのうえ、相手の力を吸収する追従性にグイグイ引き寄せるパワーが加わり、ビッグフィッシュに主導権を渡さず、「バラさず確実に仕留める性能」も進化しました。
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